JAMSTEC (海洋研究開発機構) むつ研究所との共同研究で、北海道木古内町に新たな海洋レーダ局を設置し、9月上旬から観測が開始されました。

ラックの上に置かれているのが研究室で開発したレーダ送受信機です。従来運用してきた研究用のレーダ送受信機と比べると大幅な低コスト化に成功しています。

津軽海峡の東側ではすでに汐首レーダ局が稼働しており、今後、津軽海峡の流況解析を進めて行く予定です。
Kumamoto University
JAMSTEC (海洋研究開発機構) むつ研究所との共同研究で、北海道木古内町に新たな海洋レーダ局を設置し、9月上旬から観測が開始されました。
ラックの上に置かれているのが研究室で開発したレーダ送受信機です。従来運用してきた研究用のレーダ送受信機と比べると大幅な低コスト化に成功しています。
津軽海峡の東側ではすでに汐首レーダ局が稼働しており、今後、津軽海峡の流況解析を進めて行く予定です。
量子計算機に係わる研究のニュースが多く報道されるようになってきていますが、私たちの研究室ではムーンショット型研究目標6のもとで、誤り耐性型量子計算機の実現へ向けた研究を進めています。
といっても、量子ビットを操作したり量子アルゴリズムを開発しているわけではなく、誤り耐性型量子コンピュータの実現に必要な最高のシリコン(古典)計算機を作る、というのがミッションです。特に、量子ビットを観測・操作するシステムと、量子ビットの誤りを検出して訂正するFPGAクラスタをどのようなネットワークで接続するか、という課題に取り組んでいます。
私達の研究室ではもともと、Kyokko という低遅延なFPGA-FPGAの接続技術を開発しているのですが、いまのところこれは2つのデバイスを接続する技術なので、多対多のネットワークには向いていません。そこで、多少通信の遅延時間がかさんでもいいので、少ない開発コストで多数のシステム(コンピュータやFPGA) を接続したい、となると、一般の家庭やオフィスのLANでも用いられているEthernetが候補に挙がります。
一般に広く普及しているLANは1Gbps で、これでは少々力不足なので、研究室では従来から100GbpsのEthernet switchを運用してきました。しかし、実用に耐えうる誤り耐性型量子計算機を実現するのには数万とか百万の量子ビットが必要といわれており、これには100Gbpsでも不足では、ということを考えています。幸い、400Gbps Ethernetの機器もデータセンターではかなり普及しつつあるようで価格が下がってきており、研究室に導入することができました。残念ながらまだ 400G 対応のケーブルが手に入っていないのですが、今後、これを使ってさまざまな実験を進めていく予定です。
CERN (欧州原子核研究機構) で行われている ALICE (A Large Ion Collider Experiment) 実験に、2024年から Associate Member として参加することになりました。日本のチームが大きく関わっている FoCal、前方カロリメータと呼ばれる検出器の開発に、私たちの研究室の持っている FPGA 設計のさまざまな技術を通じて貢献していくことになっています。
ALICE実験は名前の通り重イオン(鉛)を光速近くまで加速して衝突させ、その瞬間に生じる超高温・高密度の状態から宇宙の初期状態に存在したとされるクォーク・グルーオンプラズマ (CGP) と呼ばれる状態の性質を解き明かそうとする実験です。ALICE FoCalでは特に、ごく初期に存在したと考えられているカラーグラス凝縮と呼ばれる状態を観測することが期待されています。
実験に参画するメンバーとして登録されるのは「熊本大学」であって研究室や長名個人ではないのですが、熊本大学での研究リーダーがとりあえず現地に行かないとはじまらない、ということで11月末にCERNにいってきました。熊本空港から羽田、イスタンブールを経由してジュネーブまで、めちゃめちゃ遠かったです。
ちょうど加速器のビームが止まっていたので中に入れていただく機会もありました。現在はLHCが運転期間中のため、写真のようにコンクリートブロックで覆われているのですが、この内側に入るエレクトロニクスの設計をやっていきます。がんばります。
私達の研究室では今年から CERN ALICE 実験 に Associate Member という形で関わることになりました。正式なメンバーと違うのは実験で解き明かす物理現象そのものではなく、実験に必要な検出器やそれに関わる諸システムの開発そのものがミッション、という点です(工学部ですから!)
CERNの加速器実験は徐々にシステムを高度化しながら実験をすすめ、様々な成果を得ているわけですが、ALICE 実験に関わる今後の高度化計画についてひろく議論するのが Upgrade Week で、今年はポーランドのクラクフにある国立原子核物理研究所で開催されました。
実は成田からの機内の寒さに完全やられてしまい、入国直後に高熱を出してホテルで寝込んでしまったため、自分の発表をホテルのベッドの上からやる、という不測の事態に陥りましたがなんとかのりきり、翌日以降のさまざまな議論には対面で参加することができました。
私達が手がけていくのは前方カロリメータ (FoCal) とよばれる、これまで ALICE には設置されていなかった検出器で、加速器実験における粒子の衝突で発生する粒子のうち、ビーム軸に近い浅い角度に向かって飛びだす粒子(のうち主に、他の検出器では捉えにくい中性のもの)を観測するものです。超高速で得られる大量の信号の中からリアルタイムに意味のあるものだけを選別し、測定結果をリファインするための技術開発をFPGAを活用しながら進めていきます。
いままで学生研究室がなくて間借りしていたのですが、工学研究機器センター棟の2F、202号室に研究室ができました。おなじ情報電気工学科の大川先生・久保木先生・瀬戸先生と相部屋です。わいわいやっていきたいと思います。見学歓迎でーす。
ORNIS株式会社 と共同で短波海洋レーダを開発しています。今回、一号機が設置される静岡県の焼津漁港内のレーダ局の設置作業を行いました。いままで研究用に開発してきた送受信機と比べてコストダウンを図っており、FPGA を小さなものにしたため、設計にだいぶ苦心しましたが、なんとか収まりました。がんばって進めていきます。
焼津のレーダ局は 13.5 MHz 帯を使います。波長が 22 m もあるのでアンテナが大きくなりがちですが、新設計のアンテナはローディングコイルが入っており、コンパクトですごくかっこいい・・・です!
1月にラスベガスで開催された ICCE 2024 (International Conference on Consumer Electronics) で、低レイテンシオンチップネットワークに関する発表を行った修士一年の谷くんが Best Session Presentation Awardを受賞しました。
熊本大学半導体・デジタル研究教育機構に移ってまいりました。工学部では情報電気工学科、大学院博士前期課程では情報電気工学専攻(情報工学教育プログラム)、後期課程では工学専攻(先端情報通信工学教育プログラム)、ということになります。
Web もいろいろ充実していこうと思いますが、なにしろまだ研究室は段ボールが積み上がっている状態なので、いましばらくお待ちください…