ALICE Upgrade Weekに行ってきました

私達の研究室では今年から CERN ALICE 実験 に Associate Member という形で関わることになりました。正式なメンバーと違うのは実験で解き明かす物理現象そのものではなく、実験に必要な検出器やそれに関わる諸システムの開発そのものがミッション、という点です(工学部ですから!)

CERNの加速器実験は徐々にシステムを高度化しながら実験をすすめ、様々な成果を得ているわけですが、ALICE 実験に関わる今後の高度化計画についてひろく議論するのが Upgrade Week で、今年はポーランドのクラクフにある国立原子核物理研究所で開催されました。

実は成田からの機内の寒さに完全やられてしまい、入国直後に高熱を出してホテルで寝込んでしまったため、自分の発表をホテルのベッドの上からやる、という不測の事態に陥りましたがなんとかのりきり、翌日以降のさまざまな議論には対面で参加することができました。

私達が手がけていくのは前方カロリメータ (FoCal) とよばれる、これまで ALICE には設置されていなかった検出器で、加速器実験における粒子の衝突で発生する粒子のうち、ビーム軸に近い浅い角度に向かって飛びだす粒子(のうち主に、他の検出器では捉えにくい中性のもの)を観測するものです。超高速で得られる大量の信号の中からリアルタイムに意味のあるものだけを選別し、測定結果をリファインするための技術開発をFPGAを活用しながら進めていきます。

学生研究室ができました

いままで学生研究室がなくて間借りしていたのですが、工学研究機器センター棟の2F、202号室に研究室ができました。おなじ情報電気工学科の大川先生・久保木先生・瀬戸先生と相部屋です。わいわいやっていきたいと思います。見学歓迎でーす。

焼津レーダ局

ORNIS株式会社 と共同で短波海洋レーダを開発しています。今回、一号機が設置される静岡県の焼津漁港内のレーダ局の設置作業を行いました。いままで研究用に開発してきた送受信機と比べてコストダウンを図っており、FPGA を小さなものにしたため、設計にだいぶ苦心しましたが、なんとか収まりました。がんばって進めていきます。

焼津のレーダ局は 13.5 MHz 帯を使います。波長が 22 m もあるのでアンテナが大きくなりがちですが、新設計のアンテナはローディングコイルが入っており、コンパクトですごくかっこいい・・・です!

ICCE 2024 で受賞

1月にラスベガスで開催された ICCE 2024 (International Conference on Consumer Electronics) で、低レイテンシオンチップネットワークに関する発表を行った修士一年の谷くんが Best Session Presentation Awardを受賞しました。

研究室、はじめます

熊本大学半導体・デジタル研究教育機構に移ってまいりました。工学部では情報電気工学科、大学院博士前期課程では情報電気工学専攻(情報工学教育プログラム)、後期課程では工学専攻(先端情報通信工学教育プログラム)、ということになります。

Web もいろいろ充実していこうと思いますが、なにしろまだ研究室は段ボールが積み上がっている状態なので、いましばらくお待ちください…