CERN (欧州原子核研究機構) で行われている ALICE (A Large Ion Collider Experiment) 実験に、2024年から Associate Member として参加することになりました。日本のチームが大きく関わっている FoCal、前方カロリメータと呼ばれる検出器の開発に、私たちの研究室の持っている FPGA 設計のさまざまな技術を通じて貢献していくことになっています。
ALICE実験は名前の通り重イオン(鉛)を光速近くまで加速して衝突させ、その瞬間に生じる超高温・高密度の状態から宇宙の初期状態に存在したとされるクォーク・グルーオンプラズマ (CGP) と呼ばれる状態の性質を解き明かそうとする実験です。ALICE FoCalでは特に、ごく初期に存在したと考えられているカラーグラス凝縮と呼ばれる状態を観測することが期待されています。
実験に参画するメンバーとして登録されるのは「熊本大学」であって研究室や長名個人ではないのですが、熊本大学での研究リーダーがとりあえず現地に行かないとはじまらない、ということで11月末にCERNにいってきました。熊本空港から羽田、イスタンブールを経由してジュネーブまで、めちゃめちゃ遠かったです。
ちょうど加速器のビームが止まっていたので中に入れていただく機会もありました。現在はLHCが運転期間中のため、写真のようにコンクリートブロックで覆われているのですが、この内側に入るエレクトロニクスの設計をやっていきます。がんばります。