ALICE Upgrade Weekに行ってきました

私達の研究室では今年から CERN ALICE 実験 に Associate Member という形で関わることになりました。正式なメンバーと違うのは実験で解き明かす物理現象そのものではなく、実験に必要な検出器やそれに関わる諸システムの開発そのものがミッション、という点です(工学部ですから!)

CERNの加速器実験は徐々にシステムを高度化しながら実験をすすめ、様々な成果を得ているわけですが、ALICE 実験に関わる今後の高度化計画についてひろく議論するのが Upgrade Week で、今年はポーランドのクラクフにある国立原子核物理研究所で開催されました。

実は成田からの機内の寒さに完全やられてしまい、入国直後に高熱を出してホテルで寝込んでしまったため、自分の発表をホテルのベッドの上からやる、という不測の事態に陥りましたがなんとかのりきり、翌日以降のさまざまな議論には対面で参加することができました。

私達が手がけていくのは前方カロリメータ (FoCal) とよばれる、これまで ALICE には設置されていなかった検出器で、加速器実験における粒子の衝突で発生する粒子のうち、ビーム軸に近い浅い角度に向かって飛びだす粒子(のうち主に、他の検出器では捉えにくい中性のもの)を観測するものです。超高速で得られる大量の信号の中からリアルタイムに意味のあるものだけを選別し、測定結果をリファインするための技術開発をFPGAを活用しながら進めていきます。